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ラン藻(藍藻)

勢いのあるラン藻は至る所を這ってハイペースで増殖して行きます。

薄いタイプのラン藻だと見えずらい。ラン藻と他のコケがコラボしてます(汗)水汚れている時のラン藻は厚いです

 

濃い緑色をして水槽、水草のあらゆる場所に這うかのように広がっていくおどろおどろしい物体です。

始めに難しいこと書きますと、ラン藻(藍藻)は厳密にはコケではありません。

シアノバクテリアという細菌の一種です。ただし、光合成を行う細菌と言うことで一応藻類に分類されているみたいです。

要は細菌と藻類の特徴を合わせもっと不思議生物と言うことです(笑)

先に出していますグリーンウォーター(アオコ)も浮遊性のラン藻と言われていますが、ここで説明するにはべたっとしたタイプのラン藻に限定します。

 

ラン藻の体色、増殖スピードは富栄養化(水の汚れ)の度合いによって違って来ます。

富栄養化が非道い場合、色は濃い緑色をしています。そういったラン藻は、増殖スピードも非常に速く、極端な例だと換水時に吸い出しても、1時間程度でまた残ったラン藻が増殖しているのが目視でもわかるくらい凄まじいです。

あらゆる場所に這っていき、放っておくと水草全体を覆ってしまうことすらあります。

換水時に吸い出しても、もしちょびっとの欠片でも残っていればまたそこから増殖していきます。生体が多く、富栄養化の強い環境のラン藻はまさに化け物です(泣)

 

見事に水草の根本から発生して来ています(汗)水中舞ったラン藻は引っ掛かったところからまた増殖開始です。

水が汚れて富栄養化に傾いている環境ほどラン藻(藍藻)の緑色が濃くなります。

色のみならず増殖スピードもハンパなくまさにモンスターばりです(笑)

 

それとは別にあまり汚れない水草レイアウトではラン藻はまた違った姿で出て来ます。

時間ある程度経ってかなり水質が安定している環境で出てくるラン藻というのは緑色がやや薄く、出てくる場所も十中八九ガラス面からです。

さらに濃い緑色をしたラン藻だと換水時に水中に舞ってしまったが最後、不時着したところからまた増殖して行きますが、薄い色をしたラン藻だとそのまま消えちゃうことが大半。

増殖スピードも水質の安定度に比例するかのように、それほど早くなく、週1回のレベルの対処で十分対応出来ることが多いです。

ラン藻の仲間にアナベナと言われる種がいます。アナベナには窒素を固定化する能力があることは有名で、実際に水田ではある意味肥料として使われてもいます。水槽で出てくるものがそれと同じかまでは分かっていませんが、底床内だけでとどまっている勢いの感じないタイプのラン藻であればそのまましておくと水草にとって栄養素の供給の担い手になってくれているのかもしれません。

 

密生した前景草のガラス面からよく発生見られます。トリミングして通水性確保すればなくなるはず。

水質安定している環境だと出てくるのはほとんどガラス面からです。

緑色も薄く、増殖スピードもそれほど速くありません。

 

ラン藻の発生は、嫌気環境によるものというのが一般的です。

嫌気環境というのは、簡単に言うと無酸素状態のことを言います。無酸素状態と言うことは言い換えると水流(通水性)が全くない状態でもあります。

水草水槽では、主に底床内が起こりえます。特に時間経って、ソイルの粒が崩れて汚泥化した場合は危険度大。

また、非常に粒の細かい化粧砂(主に真っ白い砂)でも粒が細かすぎて通水性がないため、嫌気環境になってラン藻が発生してきます。

化粧砂の場合は、毎週の換水時にでも化粧砂をかき混ぜて水を通してあげると多少ラン藻抑制の効果があります。

 

超細かいつぶした化粧砂は底床内嫌気環境に傾きやすいです。

粒が非常に細かい化粧砂は底床内嫌気環境になりやすいです。

底床の奥底からラン藻の発生がよく見られます。

底床をソイルを使っている場合にはあまり関係ありませんが、ラン藻は弱アルカリ性向きの環境の方が多く発生します。

理由は、糞や残餌などの分解で発生したリンはソイルの主成分であるアルミナ(Al2O3)や鉄に吸着されて固定化しますが、それが嫌気環境の場合、還元反応により溶脱します。その反応がpHの大きさに大きく依存しており、pHが6.0の環境と8.0では100倍も溶解度が一気にアップしてしまいます。

ラン藻の原因元素がリンと言うことはよく言われますが、この作用がそれを理論的にも裏付けることが出来てます。

また、通常弱アルカリ性寄りになる大磯砂や砂でも出やすいです。

ソイルにはリン及び陽イオン物質(カルシウムやマグネシウムなど)を吸着固定化させる効果があります。その効果によって弱酸性、軟水寄りの水質に傾きます。

大磯砂や砂にはその効果がない(もしくはかなり少ない)ためラン藻が出やすいと推察出来るわけです。

実際にはソイルでもラン藻は出て来ます。ただし、出てくるときは上記に書いたようにセット初期や夏場など水質が不安定であるときが多いです。ガラス面や油膜など出ていない安定した環境ではラン藻はあってもガラス面のところ程度でほとんど見られないと思います。

 

ソイルと大磯砂、砂でのラン藻発生要因予想図

ソイルと大磯砂、砂でのラン藻発生要因予想図

 

コケがあまり出ていないような比較的安定した環境限定での話ですが、水草水槽ではラッキーと言うべきかラン藻が始めに出てくるのは大抵ガラス面からです。

ガラス面ということは、ラン藻の発生要因が嫌気環境だけでなく、光の有無なども関係していると推測出来ます。

また、主にショートヘアーグラスやグロッソスティグマなどを密度高く繁茂させたときに、その根本付近が水流行かず嫌気環境となるためラン藻が発生することがあります。

他には、インディアン・クラススラやベトナムゴマノハグサ科などが大量繁茂すると、やはり中の方は淀んで水流行かず、嫌気環境になってガラス面にラン藻の発生がよく見られます。

こんなになってくるとやや危険信号かも。

ここまでガラス面で密生してくると水流行かず

ラン藻が発生することがあります。

安定した環境ではガラス面からが多いですが、汚泥化進んでたり、生体多くてかなり富栄養化、環境悪化しているとその限りではありません。

環境悪化しているときに出てくる色の濃いラン藻は、発生原因が嫌気環境でも一度発生すれば、葉っぱの上とか水流があっても平気で増殖続けますので、べったり濃い緑色のラン藻出てくる場合は環境見直して〜と言うサインとも言えます。

 

ソイルのセット初期にも経験上出やすいです。

特に水草育成に優秀なソイルほど出て来やすいように感じます。一昔売られていたタイプのADAアマゾニアなどセット初期によく出て来て悩まされました。優秀なことは逆の見方をするとリンを始めとする養分が多量に含まれていることでもあります。そのためラン藻発生につながっていると思われます。まさに諸刃の剣です。

 

昔はラン藻発生したらリセットとも言われていましたが、今ではラン藻駆除可能な製品が登場して駆除方法は確立されています。

その製品というのは、マーフィードの“エクスタミン”とカミハタの“アンチグリーン”です。

まずはエクスタミン。

エクスタミンはラン藻抑制剤として売られていて、付属のスポイトを使い、ラン藻に直接吹き付けることによって駆除します。

直接吹き付けるとものの数十秒程度緑色が真っ白くなってあれだけ厄介なラン藻を短時間で枯らすことが出来ちゃいます。

真っ白く枯れたラン藻は、今まで全然食べてくれなかったヤマトヌマエビなどのエビ類が食べてくれますのであっという間に完全駆除完了です。

エクスタミンは肥料成分も含まれているようですので多量に使うときは、なるべくなら換水直前にした方が良いです。

エクスタミンの他にグリーンFゴールドと言う魚薬でも同じ効果があるようです。

 

もしコレがなかったらと思うと怖いです。エクスタミンの取説の一部。 

こちらがマーフィードのラン藻抑制剤エクスタミンです。

大概どこのアクアショップでも売られていると思います。

末期状態+夏場での水槽です。矢印ちょこっと吹きかけただけですぐ真っ白に!リシアの中とかも嫌気環境になりやすいです。矢印エクスタミンの絶大なる効果!

エクスタミンはラン藻抑制剤と謳っているだけあって効果抜群です。

付属のスポイトで直接吹き付けるとすぐに真っ白くなってラン藻枯れてしまいます。

インディアン・クラススラにラン藻発生。矢印エクスタミン使って枯らした後はヤマトヌマエビ君が完璧に食べてくれます。

エクスタミンでラン藻真っ白くなるとヤマトヌマエビがわらわら食べ始めてあっという間

になくなります。

 

次にアンチグリーン。

アンチグリーンは、エクスタミンのように狭い範囲での駆除ではなく、水槽全体に発生しているラン藻を一気に駆除出来る優れものです。

メーカー規定量を添加すればエクスタミンほど短時間ではありませんが、徐々に色が薄くなってエクスタミン同様駆除が出来ます。

 

一見するとアンチグリーンの方が作業的には楽そうです。

確かにそうなのですが、アンチグリーンはラン藻駆除の効果まで一週間近く掛かり外部フィルター含め水槽全体に及んでしまいます。モスやリシアなどの成長を一緒に阻害してしまう恐れもありますし、バクテリアであるラン藻駆除してしまうということは、もしかしたらろ過バクテリアにまで悪影響を少なかれ与えてしまうことも考えられます。

この2種類の製品の使い分けとしては、まずラン藻がそれほど発生していなくて、ピンポイントで対処出来るような場合はエクスタミンを。

もう水槽の至る所に発生していてとても人力では対処不可能な場合のみ(やむをえず)アンチグリーンを使うと行った使い分けが最適かと思います。

 

ラン藻手に負えなくなったらっこちらの出番です。アンチグリーンはラン藻に最も効果あります。

カミハタ(神畑)のアンチグリーンです。緑ゴケ除去とありますが一番効果あるのは

ラン藻です。リキッド式で毎日規定量添加して駆除出来ます。

 

ただし、上記方法で駆除出来るのはあくまで底床表面や葉っぱなどに出て来てる箇所です。

ラン藻は底床の深い部分から発生することが良くあります(水草レイアウトだと特に)。

ガラス面で底床を見るとラン藻が底床の深い部分までべったり出ているのを見たことがあるかと思います。

この時点ではまだ慌てることはないのですが、それでも気分は良くないです。

こういった箇所は、エクスタミンのスポイトを底床内に強引に押し込んで噴射するか、細い口した注射針を使うとソイルの粒崩すことなく確実に駆除出来ます。ただし、底床内のバクテリアに悪影響与える恐れがあるため大増殖するタイプのラン藻でなければ行わない方が良いと思います。

スポイトを底床内に突っ込んでラン藻駆除出来ます。

スポイトや注射針を底床内に突っ込んで噴射

させると底床内のラン藻も枯らすことが出来

ます。

 

増殖力の強く、濃い緑色のラン藻が出てくるときは、水質が悪化していることが多いのでろ過や生体、餌の量など見直して下さい。

水質安定した環境でも出てくる色の薄いタイプのラン藻については正直なところ色の薄いタイプのラン藻を出さない方法は、全体にキチンと水流行き渡らすと言う程度しか思いつきません。しかし、実際には外部フィルターからの水流が強く当たるところでもまれに出てくることもあったりと謎なところ多いです(汗)

色の薄いタイプのラン藻は増殖スピード遅く、たとえ水中に舞ってしまっても大丈夫なので、それほど驚異ではありません。発生見られたら都度エクスタミンでピンポイント爆撃をするのが現実的な対処法だと思います。

 

発生要因: 嫌気環境(主に底床内)

      水流が行き渡らない場所で発生(淀んでいる)

      アルカリ性寄りの環境

 

水質面の対処方法: 特に濃い緑色のラン藻の場合

・ フィルターの清掃

・ 換水を行う。

・ 生体の量を減らす。もしくは、餌を減らす。

・ 底床内の掃除もしくは交換

 

駆除方法:

・ エクスタミンの使用(少量の場合)

・ アンチグリーンの使用(手に追えなくなった場合)

・ ヤマトヌマエビなどエビ類大量投入

 (エクスタミン、アンチグリーン使用後)

 

 

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