Aコケを寄せ付けない管理方法−基本編
ここからは「@水草水槽セッティングに際してお勧め機材」での必要なものを揃え、底床はソイル系という勝手な前提での説明をします。
ソイル系の底床にはカルシウム、マグネシウムを吸着することにより水のpH(ペーハー)、硬度を下げる効果があります。
この効果によって今まで育成難易度の高かったトニナ、スターレンジなどの南米産の水草の育成が容易になった大きな理由です(ホシクサ系は低pH、低硬度が必須)。
ソイルの粒はこのpH、硬度を下げる能力に加えて水草の肥料分を蓄える能力もあります。色々なメーカーがソイル系の底床を扱っていますがほぼ全てのソイルで肥料分が始めから含まれています。
これは一見大きなメリットでもありますが実はデメリットでもあります。
実はソイルの肥料分は水を入れるとその肥料分が水中内に溶け出してきます。
これは実質底床用の肥料を土に埋めずにそのまま底床の上に置いてあるのと同じような状況です。
底床セット初期の水槽に水を張ったばかりの時は水草も少なくその溶け出してきた肥料分を消費してくれる水草もかなり少ないと予測出来ます。
その水草が消費しきれなかった肥料分を何が消費してくれるかというと実はそれが我らが最大の敵である藻類(コケ)なのです。

余った肥料分というのはコケの発生を誘発させる最大の原因となります。
セット初期時は特に肥料分が水分内に流出する量も多く、これをそのままほったらかしにしておけば大量のコケを発生させることがほぼ確実です。
・・・じゃあソイル系は使わない方がいいじゃんという話にもなりますが、それはちょっとお待ち下さい。
ソイルは水草の育成を本当に楽にしてくれますから回避させる方法を考えましょう。そこで少々手間がかかりますがコケの発生を回避させる方法が2つ程あります。
まず私がいつも行っている本命策は水換え作戦です。これは水草専門ショップなど多くの方が実践している方法です(雑誌などでも解説されているのを見かけます。)。
その方法というのは簡単な話、余った肥料分を力技で「捨ててしまえ!」といった考えに基づくやり方です。
具体的に「捨ててしまえ!」というのはイコール換水をして水槽から出してしまうと言うことです。
ただしそのペースは結構きつめでセットしてからはじめの1週間ほぼ毎日といった具合です。

換水の量は諸処説々ありますが私は以下の量で換水してます。
水槽セットから1週間 → 毎日水量の約1/2〜1/3換水
1〜2週間 → 2日に一回水量の約1/3換水
それ以降ずっと → 1週間に一度約1/3換水(通常ペース)
極端な言い方をしてしまうとはじめの2週間を頑張ればそれだけで後の半年から1年間はコケに悩まされる確率は格段に少なく出来ます。
今では多くの水草愛好家が行っている方法ですので実践してみて下さい。
さすがに忙しくて上記のペースでは無理という方もその半分の量でも換水していれば全くしないよりかははるかにましなのでやることをお勧め致します。
もう一つの方法は根本的な考え方は同じで余った肥料分を外に出すのではなく今度は水草に消費していただく方法です。
これを実現するには大量の水草が必要です。それに水草はなるべく養分の吸収能力の高い水草、すなわち昔からスターティングプランツと呼ばれるものでその能力の高いものとしてグリーン・ロタラなどのロタラの仲間、アマゾンソードプラントなどのエキノドルスの仲間、他にはルドヴィジア、ハイグロフィラ、ブリクサの仲間などが総じて浄化能力、養分の吸収能力が高く、これらの水草をなるべく多く、初期セット時に植えることで余った肥料分を消費してもらいます。
この方法は始めから水草のレイアウトを考えていないような場合、例えばショップの水槽のように売るための水草を育成するといった時には最適でしょう(何も考えずあるだけ水槽の端からは端まで植えまくればいいですから)。
しかし、レイアウトを考えた水槽の場合は最終的にはレイアウトに必要のない部分の抜き取り作業が必要となります。
底床がソイル系の場合水草の抜き差しを行うとソイルの粒が崩れて底床の泥化により底床内のバクテリアの活動が弱まり恐れがあります。ソイル系は1年も使用しているとどうしても泥化は避けられないのですがそれをセット初期時に起こしてしまうのは長期維持(といってもソイル系の場合約1年くらいですが)の観点からはお勧め出来ません。
他に水量に対してどの程度大量に植え込めばコケを発生させないだけの吸収能力を得られるかといった具体的な指標もありませんので水槽の状態を見ながら多少の換水も交えて行うのが最適です。

これらの水草は総じて栄養の消費量が高く、人間で言うなれば大食漢です。
左上:エウステラリスspダッセン、中上:ブリクサ・ショートリーフ、右上:ミズトラノオ
左下:グロッソスティグマ、右下:ルドヴィジアspキューバ
ショップの展示水槽やADAのレイアウトコンテストにあるような水草レイアウトの水槽を目指すのであれば上記の方法のどちらかは実践することまず第一の基本となります。
ただ第一とはいってもその第一のこの基本は表題の「コケを寄せ付けない」水草水槽でやるべきことのかなりを占めてしまいますのでこれを少々苦労してやれればまずは一安心と言えるでしょう。
最後に一つ言えることは水草水槽のセット初期時はどうしても手間が掛かってしまうことです。
ただしこれを乗り越えれば美しい水景を得られることでしょう。
まさに苦あれば楽ありの精神で取り組んで下さい。