Aコケを寄せ付けない管理方法−肥料編

 

水草に与える肥料は単純にコケを発生させないようにするためだけであればそれほど重要なことではありません。
簡単な話、肥料を与えなければ良いだけです。
底床がソイル系であればソイルの粒には水草の生長に必要な主要栄養素、微量元素が含まれており、セット初期からしばらくはそれらだけでも十分水草は生長します。
実際のところ具体的にソイル系の底床から何の栄養素が染み出しているのかはわかりませんが愛用してますADAアクアソイルアマゾニアであればセット初期から少なくとも3〜4ヶ月は何も肥料を添加しなくてもかなり状態良く生長し続けてくれます(アクアソイルはホントすごいです)。

とはいえこれでは何の勉強にもなりませんしソイルの効果が切れてしまってからの管理、ソイル系以外の底床を使用した場合に困りますので以下に水草の生長に必要な栄養素に関しての概念を説明していきたいと思います。

水草は二酸化炭素を添加しただけでは枯れはしなくても綺麗には生長してくれません。
ショップの展示水槽のように綺麗な水景にするにはそれに水草が欲する栄養素の添加が必要になります。
水草に最も必要な主要栄養素はまず以下の3つが上げられます。
@窒素N
AリンP
BカリウムK
この中で@窒素、Aリンは魚やエビの排泄物、餌の残りなどから分解発生して自動的に水槽内に供給されます。
Bカリウムは自然発生はしてはくれませんのでこちらで補充してあげなくてはなりません。肥料としてはまずカリウム添加剤をまず1本購入すべきです。
カリウムは人間で言えば食欲を促すようなものでカリウムを与えることにより、活発な光合成や栄養素の取り込みを増進させてくれます。カリウムが欠乏すると葉の変形、黄色に変色するといった症状が見られます。
他に窒素が欠乏しても葉の黄色化が起こり、リンが欠乏すると主な症状として早期の落葉などが見られます。
先程言いましたが窒素、リンは排泄物、餌の残りなどから水槽内に自動供給されます。もし水槽内に魚が全くいない場合や水槽の大きさに対してかなり少ない時などは不足することがあります。その場合はADAグリーンブライティ・スペシャルLIGHTSや少し扱いが難しいですがコスト面で優れる園芸用の液体肥料であるハイポネックスを希釈(水で薄める)して与えるのが良いです。この2つはともに@〜B全てである窒素、リン、カリウム及び他に微量元素が含まれています。ショップなどの売り物の水草を入れている水槽のような環境(いるのはコケ取り専門の生き物と大量の水草)ではかなり最適な液体肥料だと思います。
しかし、魚、エビなどがいる環境でこれらを与え続けるとかなりの確率で富栄養化して、コケを誘発しますので様子を見ながら使用して下さい。

これらの元素全てが必要量バランス良くある環境で始めて水草は元気よく育ってくれます。

   
水草3大主要栄養素と微量元素群

上記窒素、リン、カリウムの3つの他にごくわずかでいいのですが水草の生育に絶対必要な栄養素としましてその名の通り微量元素というものがあります。
微量元素は水草に必要なさまざまな種類の微量な元素の総称で具体的には以下の種類が上げられます。
@鉄Fe
AカルシウムCa
BマグネシウムMg
C硫黄S
D銅Cu
EマンガンMn
F亜鉛Zn
Gホウ素B
HモリブデンMo
IバナジウムV
これらは全ては基本的に水槽内の新陳代謝では発生しません。
ただしソイルであればこれらが粒そのものに含まれていますのでそれが染み出し続ける(であろう)3〜4ヶ月は底床そのものから供給されます。
また上記に中で@鉄FeやD銅Cuなど一部は換水時に水道水から少量供給されることもあります(地域による)。

これらを微量元素を追肥するにはADAのグリーンプラティSTEP1〜2やセラのフロレナを使って人為的に補充出来ます。この2つの商品を選ぶポイントは液体肥料の成分に窒素、リンが含まれていないことです。
窒素、リンが含まれていなければ追肥してもこれら2つの元素が過剰になることはありません。


実際の追肥方法

 

ソイル系のADAのアクアソイルを使っている場合などは3〜4ヶ月は特に何も追肥をしなくともかなり状態良く水草は育ってくれます。これはソイルの粒から染み出す養分が助けになっているものと推察出来ます。
本当に何も追肥しなくても十分育ってくれるのですがあえて何かを添加するとすればカリウムを取説の適正量の1/2〜1/3くらい追肥すれば水草の栄養吸収力が活発になり、さらに状態が良くなります。もし南米系の水草を育てているときはあまりカリウムを添加しすぎるとカリウムの効果によってpHが多少上昇しますのでその場合は少なくした方が良いでしょう。

そうなると本当の勝負はその効果が切れる頃からと言うことになりますが、魚やエビがある程度共存させている場合(例、60cm水槽でテトラなど小型魚10匹、エビ10匹くらい)は水草に必要な元素の窒素、リン、カリウム、微量元素のうち窒素とリンは魚やエビの排泄物、餌の残りなどから供給されますのであとはカリウムと微量元素の追肥ということに行き着きます。
液体肥料も色々ありますが私がお勧めするのが以下の構成です。
@カリウム補給 → ADAブライティK
A微量元素追肥 → ADAグリーンプラティSTEP2、セラフロレナ
各社出している液体肥料の栄養素を見ると窒素、リンが含まれているものが結構ありますのでこの点だけが一番液肥を選ぶ際で気をつけるポイントです。

液体肥料を入れるとコケが発生するというのを掲示板などで見掛けます。
それはおそらくすでに水槽内で十分供給されている窒素、リンをさらに窒素、リンを含んだ液体肥料を追肥してしまっていることによってコケまみれな事態になってしまっているのではないかと思います。

しかし、逆に水草水槽ではエビはコケ対策で入れていても魚は入れていないといった環境もあると思います。その場合は上記の構成の限りではなく窒素、リンが不足している可能性もありますので窒素、リンを含んだ液体肥料の補給をするのが適切になります。

水草の栄養補給方法

これら液体肥料を駆使すれば水草に必要な栄養分は補給出来ます。ただし栄養分があるからといって完全ではなくpHや硬度、 CO2濃度、温度が適正であることによって始めて効果を発揮します。※熱帯魚にいくら良い餌をあげてもその時の水の 温度など水そのものが全く合っていなければ餌を食べてくれないのと一緒です。



水草の液体肥料の選び方、添加の仕方の考え方としましてただ単に売ってある液体肥料で書いてある取説の通り添加していたのでは失敗してコケの発生につなげてしまう可能性が大です。
一番重要なことは水草を成長させる上で水草自身が何を欲していているかを把握することが大事です。
液体肥料を購入するときは何の元素が含まれているかわからないような製品は購入しないことをお勧めします。少なくとも窒素、リン、カリウム、微量元素のうちどれが含まれているかなど記載されているものを購入すべきです。

液体肥料はメーカーの推奨している規定量かそれ以上入れれば水草自体の生長、状態は良くなることは間違いないのですが、もし水草が吸収しきれなかった肥料分が発生したときにその残りというのはコケの絶好の肥料分となってしまいます。
メーカー推奨の添加量というのは水槽の水量何リットルに対してこのくらい添加という書き方をしています。ですが水草に必要な栄養素の量というのは水槽の水量ではなく、その水槽に植えられている水草の量(厳密にいうと陽性、陰性などの水草の種類自体も関係してきます)によって違ってきます。いくら水槽が大きくても水草の量が少なければ肥料を吸収してくれる量も少なくなるのでメーカーでの推奨量そのまま入れていたら大変な無駄となってしまいます。逆に水槽内が水草だらけの環境であれば水草の吸収量も多くなりますからメーカー推奨量ですともしかしたら足りないかもしれません。といった風にメーカーの言っている推奨添加量はどのような環境(当然水草水槽なのでしょうが)での適正量なのかがイマイチ見えては来ません。よって、液体肥料の添加量はメーカー推奨値の半分程度から始めて水草、コケの発生など状態を毎日観察しながら増減していくのが一番無難で安全な方法です。

総括しますと液体肥料の添加に際して重要なことはバランスです。
窒素、リンは排泄物、残餌などからの自然供給がありますから、基本的には足りないカリウムと微量元素を同時に与えることが理想です。カリウムは水草の栄養分の吸収力を高めますので非常にこの組み合わせは効果的です。
逆にカリウムを与えないで(もしくは少量)微量元素など他の栄養素を補充してもカリウム分が無ければ水草の栄養吸収率も悪くなってしまいます。栄養吸収率が悪くなって余ってしまった栄養分はコケに還元されてしまいますからこれらに効率よく吸収させることが非常に大事になるわけです。


底床肥料について

底床肥料ADAマルチボトム
ADAマルチボトムは1本1本細長い形
状をしていて底床に入れやすいの
がミソです。

 

底床肥料は主に根から多くの栄養素を吸収しようとするエキノドルス、クリプトコリネ、アポノゲトン、バリスネリア、ヘアーグラスなどの根張りのある水草に対して有効な肥料です。
前記の液体肥料が有効な水草は多くの有茎草(ロタラ、パールグラス、オランダプラント、エイクフォルニア、バコパ、リムノフィラ、トニナなどなど)やミクロソリウム、ボルビディスなどのシダ類、リシア、ウィローモスなどのコケ類です。基本的に水に浮かせておいても育ってしまうような水草は液体肥料向きです。

コケの発生という観点からは、底床肥料は底床に埋めてしまいますから特に問題とするところは少ないのですが強いて言えばその埋め方には注意して下さい。

ショートヘアーグラスは根っこが邪魔して底床肥料が入れずらい!
ショートヘアーグラスもこんなになっ
てしまうと根っ子すごすぎてうまく肥
料が深くまで入れられません。

底床肥料は高濃度の液体肥料を固めたようなものです。底床肥料がちゃんと底床の中に埋まっていれば問題はないのですが少し頭が出ていたり底床肥料を入れるときに底床肥料そのものが崩れてしまったりして底床に埋まらない部分があるとそれが水中に溶け出すことによって過剰肥料となりコケの原因となってしまう恐れがあります。
まだ水草が少ない時は底床を埋めるのは簡単ですが例えば私がよく使っているショートヘアーグラスは数ヶ月もするともう底床が見えないくらい繁茂してしまって底床の中も大量の根っ子が這っており底床肥料を入れるのに根っ子が邪魔をして難儀することがあります。ピンセットを使って入れようとしても中々うまく埋まらずにそうこう苦戦している内に底床肥料が崩れてきてしまったりします。そんな時は苦肉の策ですが自分の指で強引に押し込むかADAのボトムレリーズのような専用道具を利用するのも手です。

底床肥料を埋め込むのに便利なADAボトムレリーズ
ADAボトムレリーズは↑のような環
境でも思いっきり深くまで肥料が入
れられる神器です(個人的見解)。

(まあ底床肥料を入れるのに苦労させる水草なんていうのはヘアーグラス以外には考えられませんが)
・・・そういうことで底床肥料を埋めるときは極力固形を崩さないように埋め込んで下さい。
あとは、あまり施肥しすぎると根腐れを起こしてしまうかもしれないので与える肥料はほどほどにしましょう。

 

 

                                         

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